建設コンサル業務

■開発行為設計、土地利用コンサルタント

山林、農地等の未開拓地を造成して建物を建設することを一般に「開発」といいますが、既に宅地となっている土地等の 「再開発」も「開発」と言います。いざ「開発」をする場合、その場所、面積、建設する施設等により法律、条令による手続きが 違いますので以下に概要を説明します。

◆土地に掛かる法律、条令等

日本では、国土全体に亘り面的にいくつかの法律の網を掛けて、また地方自治体でも条例等により周辺に比較的おおきな 影響ある開発について制限を設けています。
ここで取り上げるものは、都市計画法、自然公園法、森林法、農地法及び静岡県、各市町村土地利用事業の適正化に関する指導要綱(静岡県内)などです。
それぞれの法律、条令等には「開発」する面積も影響しますので考慮する必要があります。

 

1.都市計画法の許認可

都市計画法では、規制を受ける「都市計画区域」を指定しており、都市計画法の掛からないエリアは「都市計画区域外」といいます。「都市計画区域」には、「線引区域(市街化区域と市街化調整区域があります)」と「非線引区域(用途地域と用途地域外があります)」があり、それぞれのエリアで掛かる制限が決められています。
市街化調整区域は市街化を抑制する区域ですから、建設される建物の用途が制限されており建てられる用途、建てられない用途がありますので事前に関係市町の担当窓口で確認する必要があります。
都市計画法では、①都市計画法29条開発行為許可申請、②都市計画法43条許可申請がよく利用されますが簡単にいいますと、29条は建物を建てるための敷地造成(区画形質の変更)の許可で、43条は建物そのものに関する許可として用いられます。その他に③都市計画法規則60条「適合証明」申請、④都市計画法42条「予定外建築物」申請などもあります。

 

2.自然公園法の許認可

自然公園には、国立公園、国定公園、都道府県立自然公園があり、それぞれの管理者(国、都道府県)により特別地域、普通地域などの区域の指定がされており、区域に応じた規制があります。特に静岡県東部地域には広大な富士箱根伊豆国立公園があり、その区域内では建物、施設、設備等を設置利用する場合は、建物規模に応じた許認可が必要になります。許認可は面積規模に応じて許可権者が都道府県の窓口から環境省地方事務所、環境省まであります。
自然公園の区域では建物以外にも様々な施設に規制が掛かりますので建物、施設、設備等を設置利用する場合には事前に区域、面積等による制約を調査する必要があります。
自然公園法では第13条第3項の規定による、①特別区域内工作物の新築許可申請や第26条第1項の規定による②普通地域内「開発」行為届出などがあります。

 

3.森林法の許認可

主に市街化区域を除く地域で、農地を除く民間が所有する山林に網を掛けたものが「地域森林計画対象民有林(5条森林)」です。その中には「開発」が困難な「保安林」と称するエリアもあります。その他、県有林、国有林がありますが、これらは民間での「開発」は困難です。
森林を「開発」する場合、面積が1ha以下では第10条第1項の①伐採届出書の提出、1haを超える場合は第10条の2第1項による②林地開発許可申請が必要になります。

 

4.農地法の網

農地には、一般に「開発」が比較的簡単な「白地農地」と、農業振興地域の整備に関する法律(農振法)で市町村が決めた「青地農地」、いわゆる農振農用地があります。農用地区域での「開発」は厳しく制限されており、原則「開発」はできません。ただし、他に代わりになる土地が無い、周辺の農地に影響が無い等、やむを得ないと認められる場合は開発予定地域を農用地区域から除外する(青地から白地農地へ変更する)ことができます。これは①農振農用地利用計画変更で、市町村の農政関係課に申請書類を提出しますが、県の農政関係課との協議がありますので時間が掛かります。
「白地」農地の②農地法第5条(4条)農地転用申請は各市町村の農業委員会へ提出します。 (4条、5条の違いは農地転用後の利用者によります。)これに関しても面積が大きい場合には県(4ha以下)、国(4haを超える)に許可権限が移ります。

 

5.静岡県、市町村土地利用事業の適正化に関する指導要綱

静岡県では大規模な土地利用事業(「開発」及び建物を伴わない土地利用事業)を行おうとする場合、「静岡県土地利用事業の適正化に関する指導要綱」を定め、審査・指導をしています。住宅、工場、ゴルフ場又はリゾート施設等の建設の用に供する目的で行う一団の土地の区画形質の変更を行う事業で、施行区域の面積が5ヘクタール以上(市街化区域内又は用途地域内で行われる場合は10ヘクタール以上)のものです。
その他、県内の市町村では独自に「土地利用事業の適正化に関する指導要綱」を定め、審査・指導をしています。この場合、面積は1000㎡以上(2000㎡からの市町村も)としていて、かなりの案件が対象となります。
「土地利用事業の適正化に関する指導要綱」は都市計画法、森林法等の基準を元に「開発」計画に対する基準を規定しています。県の場合、①静岡県土地利用承認申請、市町村の場合②(各市町村)土地利用承認申請により個別法(都市計画法、森林法、農地法等)の提出前に承認を得る必要があります。但し、農振農用地利用計画変更、自然公園法などに関してはその法律に伴う許可が下りる事を前提に承認する場合もあります。

 

6.墓地・埋葬等に関する法律の許認可

面的整備においてはその他に、「墓地・霊園」の「開発」に伴う許認可があります。墓地・埋葬等に関する法律第10条第1項に伴う①墓地等経営許可申請です。
「墓地・霊園」は、市町村以外では主に宗教法人でなければ新設、増設する事が出来ませんが、宗教法人と協働する石材店等が出資する形で建設される場合が多いものです。
管理する寺院の既存の墓地に隣接して新設、増設する場合は、特に建物などの必要はありませんが、管理する寺院から離れた場所に建設する「霊園」には管理棟、休憩所、トイレ、倉庫などの設備が必要になります。その結果、市街化区域内に設置する場合は問題がありませんが、市街化調整区域に「霊園」を建設する場合には、都市計画法の許可が必要になります。これも霊園の面積規模により、都市計画法29条許可申請、都市計画法43条申請等の許可を取ります。その他農地法第5条農地転用申請や林地開発許可申請が同時に必要となる場合もあります。